2008年6月7日の日本経済新聞に、ビル・エモット氏のインタビューが掲載されました。
要点は以下の通り。
Q:中国・インド・日本の関係をどう見るか
A:政治的な利害対立と、軍事的な緊張感が増している。
日本だけが突出していた時代とは変わり、アジアではこの三国のバランスが重要になる。中国・インドが軍事増強を進める中で、宇宙基本法に見られるように日本も防衛対策を強化し始めた。三国の利害対立と緊張関係を制御しなければ軍拡に歯止めがかからなくなり、紛争の種になる。
Q:今後、どうなっていくとみるか。
A:欧州の歴史でも見られるように、緊張さえ制御できれば三国の生活水準は向上する。
中国は、環境汚染、通貨問題、高インフレなど、かつての日本が抱えた問題から学べることが多い。また、中国の企業は今後、ブランド力を強化して世界のトップ企業にランクインすることだろう。インドも同様だ。
Q:現在の世界で最大の問題は何か
A:インフレだ。
信用収縮と根源は同じだ。問題はアジア新興国や産油国などの経常黒字国の貯蓄拡大にある。米国の住宅バブルは黒字国からのマネーが大量に流入した影響が大きい。需要を上回る過剰流動性で与信金利が過度に下がり、信用バブルが膨らんだあげく破裂した。
さらに、資源市場に流れたマネーで商品相場も高騰した。
アジア新興国や湾岸産油国はマネーが膨らんでも低金利を維持するためインフレが起こる。中国は人民元を管理してもインフレは後回し。湾岸諸国は自国通貨を米ドルに連動させているので国内インフレとは無関係に米国の金利を追随する。この半年、米国が金融緩和を続けたため、湾岸諸国は国内が超インフレなのに金利を下げて事態を悪化させた。
Q:新興国はどうすべきか
A:為替政策を変更すべきだ。
ただし日本のニクソン・ショックの時と異なり、現在は中国や湾岸諸国側に選択権がある。時間がかかるだろう。
Q:世界経済の問題克服にどれくらい時間がかかるか
5年はかかるだろう。
新興国の政策転換時期も重要だ。
食糧インフレは2年以内に沈静化するだろう。主因は過剰流動性とバイオ燃料への補助金だからだ。