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今週のThe Economistより  ]

2007.10.25 軍事予算は破壊でなく再建のために

2007.10.25 Brains, not bullets

「アメリカは破壊が得意だが、再建は苦手だ」


今週のThe Economistは、多くの人が思っていることを代弁しています。

軍事力では他国を圧倒するアメリカ。
しかしアメリカは(ひいては世界は)ただの破壊手段としての軍事力ではなく、
もっと「頭」を使った軍事力が必要になっています。

軍事力で対処すべき相手が、テロリストから軍事大国まで多様化しているからです。

以下、カバーストーリーを要約します。

【要約】
「将来的に、アメリカの軍事力はどのようなものにすべきか」

これは現在、アメリカ国防総省で議論されているテーマである。
アメリカは現在、大国との全面戦争から、小規模の警察活動にわたる「全ての」軍事遂行能力を欲している。
ロシアや中国のような軍事大国に対応するには、従来のような戦闘機や艦船が必要である。
小規模な反乱分子に対応するには、むしろブーツと現地に対応した兵が必要である。
納税者は、これら全てに対して費用を負担せねばならないかもしれない。

ラムズフェルド元国防長官は、「トランスフォーメーション」と呼ばれる軍事改革を提唱した。
高度なテクノロジーによって、最小限のコストで戦争に勝つ戦略である。データリンク、ステルス性、正確性やスピードを追求するものだ。
兵士はサイボーグのようになるとされた。

アフガン攻撃やイラク戦争は当初、このコンセプトの強さを見せ付けた。しかしその後の混乱は、「アメリカは破壊が得意でも、再建は苦手」であることを証明してしまった。

ラムズフェルドを継いだゲイツ国務長官は、この革命を逆戻りさせようとした。テクノロジーを捨てたわけではないが、国防費を膨張させ、兵の数を増やしていった。
ゲイツ長官は、敵は非対称的な戦争に頼ることを予期していた。
つまりアメリカは、うんざりさせる長期的な対テロ戦争をしなければならないのである。
そこに明確な勝利はない。

ペトレイアス将軍は、「アメリカは再建に貢献していない」という言説に反論を投げかけた。対テロ戦争は「武装した社会貢献」であると表現した。
筋力より知力が必要とされ、攻撃より忍耐が必要とされる。
ターミネーターではなく、歴史と人間に通じた言葉のプロが求められているのだ。
テクノロジーから、マンパワーへの再変移と言えよう。

一部の人は、アメリカは今後、小規模な戦争には手を出すべきではないと主張する。しかし歴史的に考えてそれは考えにくい。これまでアメリカ軍は海外の紛争に関与し続けた。軍事戦略家が、民主的に選ばれた大統領の選択肢を狭めてはなるまい。

その観点から、2つの疑問が浮き彫りになる。

1)国防総省は、本当に大部隊をこれまで以上に作り出す必要があるのか?
確かに、前線の兵士は足りていない。
しかし巨大な軍はしばしば慣れない地でゲリラと戦うことが困難なのである。
アルジェリアにおけるフランス軍、アフガニスタンにおけるロシア軍、そして他でもない、ベトナムにおけるアメリカ軍を思い出してもらえればよい。
(例外はマラヤにおけるイギリス軍であるが)

今後は、前線から一歩退き、現地の兵と同盟を組む方が良いかもしれない。
アルカイダの容疑者も、現地の同盟によって検挙された。

公平のために付け足しておくと、国防総省は “partner capacity”とよばれる戦略も立てている。
しかしもっと抜本的な改革が必要なのだ。同盟をトレーニングや、西側の軍の向上、それに将来的な侵略を防ぐ戦略立案などである。

2)旧来の兵器への予算をどうするか?

主眼を破壊でなく再建に向けるには、旧来の兵器に対する予算削減が必要になる。
予算を将来的に必要になるマンパワーに向けることは十分に価値がある。

ロシアや中国との全面戦争の確率は低い。
対して、イラクやアフガンにおける危機対策は急務である。

にもかかわらず、予算は高いわけではない。
アメリカの国防費はいまやGDPの4%。
これはベトナム戦争時の9%や朝鮮戦争時の14%に比べると低い。
ヨーロッパではさらに事態は深刻だ。
NATOの最低標準である2%でさえ満たしている国は少ない。

もし西側諸国が「頭の良い」軍を求めるのなら、むしろもっと金を使う必要がある。


【英語表現】
・far-flung alliance :広範囲に及ぶ同盟国

・all-out war:全面戦争

・belligerent Russia and pushy China:好戦的なロシアと、あつかましい中国

・exoskeleton :外骨格

・enemy mingles among civilians :敵が市民に紛れ込む

・preside over :〜を主催する

・enervating :気力を失うような

・manpower:マンパワー。ただし最近はPolitical Correctnessの風潮によりworkforceと呼ばれることも多い。

・come to fore:前面に出てくる

・round up :検挙する

・skimp on :〜を節約する



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