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今週のThe Economistより  ]

2007.07.14 未だ捕鯨を続ける日本

2007.07.14 未だ捕鯨を続ける日本
Whaling matters to some places in Japan, but is hardly a national tradition


日本の捕鯨を批判した記事です。
解説にて詳述しますが、日本側の論理を一切無視した記事になっており、大変遺憾です。
今年初頭にはBBCでも、太地町の捕鯨の様子が放映されました。
そこでの太地町の人々は「野蛮人として扱われていた」と、太地町の人は言います。

以下、記事を要約します。

【記事要約】
太地町の人々は「鍛冶」「遠見」「網野」などの名字を持つ。
お分かりだろう。
太地町は400年前からの捕鯨の町なのだ。
400年前とは、杜で鯨を捕獲し、網で鯨の動きを止め、この岩場に誘導することが可能になったときだった。

町役人の一人は、江戸時代の絵を見せてくれた。
その絵には、殺されたセミクジラの大きさを測る村人が描かれていた。
その町役人の祖父も漁夫だった。
村がむかし飢餓に襲われ、ほとんどの男がセミクジラを獲りに行ったとき、嵐に襲われて船が転覆した。
彼の祖父はその時わずかに生き残った人の一人だ。
この岸には死んだ鯨の霊を祭るモニュメントがある。


世界のほとんどが捕鯨を廃止しているが、太地町と和田町は捕鯨を続けている。
どちらも機能的で速い捕鯨船を保有している。
和田町では夏になると26頭もの鯨を捕獲する。
これは船の上で切り出され、夜明けには主婦や商人に売り出される。
太地町ではコビレゴンドウやイルカまでも獲っている。
これらの動物は入り江に集められ、惨殺される。(中には高額で水族館に売られる)
このイルカ殺しは西洋の環境保護主義者を激怒させている。

小型鯨の沿岸捕鯨は、国債捕鯨委員会(IWC)による規制の範囲外にある。
1986年にモラトリアムが発効してから、ほとんどの捕鯨は禁止された。
今年5月の会議で、大型の鯨に対する捕鯨再開の提案が却下されたとき、日本はヒステリーを起こした。
実際には日本は何百もの大型鯨を大西洋で殺している。
「調査」の名の下で。
調査用の捕鯨はIWCで認められているからだ。
太地町と和田町からの遠洋漁業で捕獲されるこれらの鯨は、地元の子供達の口に運ばれる。

捕鯨はコミュニティの中のほんの一部しか担っていない。
しかし自民党の右翼団体は、捕鯨規制は日本人のアイデンティティに対する攻撃だとしている。
これはあまりにも大げさだ。
捕鯨の消費はアメリカが日本を占領した後に広まったものである。
栄養価が高く、安価だったからだ。このときの乱獲がモラトリアムに繋がった。

それ以降、鯨(とイルカ)の消費は激減した。
理由はモラトリアムと、健康志向である。
鯨は水銀などの有毒物質が含まれているからだ。
太地町の漁夫は、そういった危険な部分は売っていないとしている。
自民党がそのような健康志向を調べているのか知りたいかもしれない。
しかし政治家達はIWCから脱退して自由に捕鯨できるようにするのに忙しいのだ。


【日本語解説】
これはいただけません。
あまりにも日本側に不利な記事といえます。

題名が「捕鯨は伝統文化とはとても言えない」となっていますが、
日本は縄文時代からずっと捕鯨をしてきたのです。
しかも他国と違い、食べるだけではなくて、工業や工芸品など、あらゆる部分を効率よく利用する文化を持っていました。
欧米は肉さえも食べずに油だけを狙って鯨を乱獲していました。
「環境」を唱えるのならむしろ責められるべきは欧米だったはずです。

消費量は文化とは関係がないでしょう。
ひな祭りのひな壇の市場規模は非常に小さいですが、それでも日本文化の一部のはずです。
イギリスの王室も、「市場規模」によって維持されている文化なのでしょうか?

そもそも消費量が落ちたのはモラトリアムと欧米の圧力が原因です。
「健康志向」と言いますが、日本の技術を以ってして、安全な部分だけを切り出せないはずがありません。
鯨が汚染されているなら魚も汚染されているのですから。

また、ミンククジラの数は、もはや他の漁業資源を脅かすほどにまで増えていることが触れられていません。

IWCに至っては、ここでは書き切れないほど膨大な問題があるので割愛します。
『よくわかるクジラ論争』(小松正之著 成山堂2005年)に、わかりやすくまとめられているので推薦します。

以前はThe Economistは日本の商業捕鯨に理解があったのですが。
やはり編集長が変わって、日本に厳しく、アメリカ寄りの姿勢になってきた感が否めません。
アメリカで部数を伸ばしていることとも無関係ではないでしょう。


【英語表現】
・harpoon
クジラなどに打ち込む杜のこと

・appease
和らげること。ここでは霊などを鎮めること。

・slipway
造船台。

・short-finned pilot whale
コビレゴンドウ。鯨の一種ですが、知らなくても問題ないと思われます。

・herd into cove
入り江に集める。

・fall outside a purview of 〜
「〜の範囲外である」

・throw a hissy fit
かんしゃくを起こす

・huffing and puffing
ハァハァ息を切らす様子。

・go a whaling at will
自由に捕鯨できるようになる。

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