独協大学教授、鍋倉健悦氏は、著書 『英語メディアを使いこなす』(講談社現代新書 1994年)の中でThe Economist を次のように評しています。
以上3誌[Forbs, Business Week, Fortune]と比べると、The Economistは、一見やや地味と言おうか、オーソドックスな経済誌である。
創刊は1943年だから、イギリスがアヘン戦争に勝利をおさめ、清と南京条約を締結した翌年のことだ。
同国は、続いて関税協定権や最恵国待遇などの特権を得たのだから、本誌の発刊は、こうした歴史の動きと全く無関係だったというわけではないのかもしれない。
ただ、こんなことを言うと、The Economistが、政治と関係した堅苦しい専門誌であるような印象を与えてしまいそうだが、決してそのようなことはない。
「地味」と言ったのは、あくまでも体裁のことで、中身のことではない。
「オーソドックス」と言ったのは、そのような地味さを尊ぶイギリス人的という意味である。
またThe Economistという名から、日本には、同誌がガチガチの経済専門誌と考えている人が多いようだが、そのようなこともない。これはNature経済版のようなものではないからだ。
むろん、同誌は基本的に経済の雑誌だから、扱う記事は、文化や新技術の紹介であれ、常に経済に直結したものばかりである。しかし、小難しい経済理論を掲げているわけではない。
The Economistは、World Politics and Current Affairs とBusiness, Finance and Scienceの2本立てで編集されており、政治の問題や社会現象などにも注目している。
しかも取り上げるテーマは非常に広く、たとえば日本人の家庭のトイレが西洋式になってきたというような、通俗的(?)な話題もけっこう載せている。
そもそも経済とは、一体何なのか。
一言でいえば、それは衣食住に関する活動である。
The Economistは、そのことをよく知っている。
だから読者は、自分の仕事をパイプにして同誌と付き合っていくのがいいと思う。
この雑誌の英文が難解だと言う人がいるが、英語そのものから言えばそんなことはない。
むしろ難解かそうでないかは、テーマによる。
どこを読むかは読者の必要性によって違ってこようが、超多忙な人には、Summaryをおすすめしたい。
時間があれば、巻頭の論評Leadersをじっくり読んでみるのもいいだろう。